Project Bergson in Japan 2011-2013

ベルクソン『道徳と宗教の二源泉』の総合的研究

国際協働による西洋哲学研究の再構築

近年、フランス人哲学者アンリ・ベルクソン(1859-1941 の思想に対する再評価の機運が世界的に高まっています。「生命」や「社会」の概念の刷新を試みることによって、20 世紀が遭遇することになる世界戦争や環境危機といった諸問題を先取りして、それに答える作業を独創的に行っていたこの思想は、過去のものとなるどころか、21 世紀の今日、きわめてアクチュアルな様相を改めて我々に呈し始めているのです。前回2007 09 年)では、ベルクソンの第3 の主著『創造的進化』(1907 年)を取り上げ、国際的研究ネットワークを形成しつつ、この書の世界的受容の実態を解明した上で、それが説く生の哲学の思想的可能性の再評価を行いました。今回は、第4 で最後の主著『道徳と宗教の二源泉』(1932 年)を取り上げ、前回の科研で構築された国際的研究ネットワークをさらに拡大・強化することに努め、その中で、この書が19 世紀から継承し20 世紀への引き継いだものをまず解明していきます。そしてその作業の延長線上で、この書が道徳や宗教、科学技術や政治・戦争といった現下今日の人類の諸問題について語る思想の、真意を明らかにしていきたいと考えています。

 

研究代表者 安孫子 信  (法政大学 文学部 教授)